代々木公園で平和裡に剣の稽古をしたいだけなんだ。

を呟いてから、(主にfacebook方面で)いくつかの反響をいただいたので、140文字では書き切れなかっとことをいくつか補足。

●研究会の稽古内容について

呉式太極拳研究会では、今年のアタマより、代々木公園で、毎週日曜日の午後、最大10人くらいで練習をしています。練習に際しては十分に周囲に配慮し、大声を出したり、脅威を与えるような行動は一切行なわず、また実態としても、一年の間、一度も来園者とのトラブルなく活動してきています(興味をもって話しかけてきた人にごく普通に対応したり、一言も声もかけずにシャッターをばんばん切ってくる外人に注意したり、撮影をしている人のために場所を譲って差し上げたり、という友好的なやりとりは数度、ありました)。

稽古は主に、

  • 慢架と呼ばれるユックリした動きの套路(一連の決まった動き。いわゆる「型」ですね)
  • いくつかの気功(多くは移動を伴わない、呼吸と連動したユックリした動き)
  • 推手(一対一で行なう、手や肘で相手を触れて動く練習。多くは足を止めて行うが、一部、移動を伴うものもある)
  • そして武器を使った套路(型)

をやっています。武器は種目が多く、どれもかなり高度なコントロールを要求されることもあり、代々木教室ではそれほどみっちりと、系統だってはあまりやっていません。4時間ほどの練習時間のうち、まったくやらない日もよくありますし、長くても1時間くらい。進度がまちまちなこともあり、全員でやらないときもあります。人数は前述のとおり、多くても10人程度。この日はド年末、ということもあり、5人ほどでした。要は、何十人も徒党を組んで、何時間も場所を占拠する……といったことはないのです。

日本の剣道をイメージされる人がいるかもしれないので補足すると、太極拳の武器の練習では、基本、対練はやりません。また、奇声のような(日本の剣道畑の人ゴメンナサイ)かけ声も出しません。というか、完全に無言で行ないます。ショーアップとは無縁な伝統武術なので、音楽ももちろんかけません。特別な衣装や防具、鎧兜の類いもつけません。フツーのオッサン∪オバサンが、竹刀よりはるかに短い、ペラペラのオモチャの剣をゆっくり振って舞っている(舞っているように見えるかどうかは練功の度合いによるwww)だけ、です。

興味のある方は、呉式太極拳研究会のYouTubeチャンネルなぞご覧ください。

過去の経緯

槍の稽古を複数名で行なっている際、警備の人に口頭で注意(「明示的なルールに基く禁止の通告」ではない)を受けたことがあり、「まあ確かに身長をゆうに越える長さのものを振り回すのはよろしくないのかもしれない」と思い、そこそこ自粛していました。

なお、当研究会で稽古で使っている剣、槍というものは、もちろん真剣でも刃引きでもありません。さらに言うとほとんどの人が持っているのは携帯に適した「伸縮剣」と呼ばれる、ペラペラの金属でできた「伸縮式指し棒」に毛が生えたような代物です。伸縮、といっても特殊警棒のような頑強なものではなく、重量はせいぜい、カラーバットくらいです。

また、剣を振っているときに注意(何度も書きますが、「明示的なルールに基く禁止の通告」ではありません)を受け、しばらく問答を続けた結果、警備の人も「これは文書やルールがあるわけではなく、誰かから言われて、仕方なしに来ているのでこちらの立場も察してほしい」という表現をされたので、相手の顔を立てる形で、剣の練習を中止する、ということがありました。

周囲を見渡しても、バドミントンやっている人あり、フープ回している人あり、トロンボーンの練習している人あり、フリスビー投げている人あり、ラクロスやってる人あり、大型犬散歩している人あり、で、どれも「危険」「迷惑」と強弁すればどうとでも解釈でき、まあこれはいい意味で、「代々木公園文化」であり、さまざまなグレーゾーンをみんなでゆるく運用していく方針なのね、と、それはそれで飲み込んだつもり、でありました。

で、今回。

日時は12/27(日)の13時頃.寒風吹きすさぶ師走の休日、ということもあり、人影はいつにもましてまばら。これだけ周囲に人がいなければ(おそらく半径数十メートルには誰もいなかった)、さすがに「脅威的」と思う人もいないだろう、と安心して剣を振っていると、警備の人来訪。前回も出してきた、「写真撮影の際の禁止事項」という紙切れを懐から取り出し、「剣はやめて下さい」とのこと。

グレーゾーンにおけるマナーの問題であり、当方としてはマナー的に全く問題ない、という「判断」のもとにやっていたことをアッサリ否定され、前回は「ここはひとつ穏便に」で済ませたものの、これはちょっと腰を据えておハナシをしましょう、に方針変更。

以下事実の羅列が続き、ちゃんと会話体に整えるのが面倒なので、箇条書きに。
(話を論理的立てるために、ごく一部、前回、前々回のやりとりも含んでいます)

  • 警備の人の主張「これは禁止事項である」
  • ルールがあるんでしょうか、特段、立て札等は無いようですが……と訊くと、「写真等撮影における禁止事項」を取り出し(おそらく「写真等撮影を行う際の手続きについて」の4ページ目と同一のもの)、「ここに書いてあるから、ダメです」と主張
  • まず第一に我々が使っているものは、銃刀法に定義されている「鉄砲刀剣類」ではない、そして、我々の練習内容は「暴力シーン」と混同されるようなものではない、そして何より、これは撮影のためのルール、と明記してありますから、適用するのは無理筋です。(撮影だけではなく)全般にダメだ、という根拠を出してください、と返す
  • 「コレは一般にも適用されるのだ」と、手書きの追記文字を指し示して強硬に主張。手書きの追記では承諾しかねるので、ちゃんとした文書を見せてください→出てこない
  • では、警備員さんの一存による判断ですね、と確認したところ、そうであることを認める。我々の想定する「マナー」とは絶望的に距離があり、その判断は承諾しかねます、と伝えたところ、これ以上は、代々木公園を管理しているサービスセンターと話をしてくれ、と言われ、サービスセンターの人間を呼ぶ
  • サービスセンターの人が来て、「ルールでは無い」「マナーをお願いしている」ことを再度確認。センター曰く、「ベンチに座って寛いでいる人が、後ろで剣を振っているのを見て「おお怖い」と感じたら、楽しい公園ではなくなってしまう。だからマナーに反している」。とのこと。では、その問題視している人は、(この閑散とした公園の)いったい、どこにおられるのですか、と尋ねると、具体的な話は全く出てこない。そのうち、最初は「苦情が来ている」と主張していたものが、「警備の人間による判断である」に方向が変わる
  • 良せばいいのに、「だいたい、太極拳なんてテレビでやってるこんなん(クネクネする)でしょう、なんで剣なんか要るんですか」、とセンター。ああ、よせばいいトコロに着火してしまったなあ、と内心困り果てつつも覚悟を決める。
    「では、あなたは太極拳というものを定義されたので、太極拳というものがどういうものであるか、ご説明が必要そうですね」、と丁重に申し出ると「いやいやそんなこと必要ないでしょなんでそんなこと今持ち出すんですか」、と言われるので、「太極拳は何なのか、ということは、あなたが持ち出したことでしょう? あなた方がそれを間違った認識のもとに定義する以上、我々にはそれについての誤解を解く必要があります」と言うと、段々ファビョってきたので、ちょっとトーンダウンして(先方の)逃げ道を確保
  • サービスの人は、向こう(警備)の提案で話を始めておいて「で、結局どうするんですか、私は忙しいんです!」と、ドストエフスキーの小説に出てくる脇役キャラの様なテンプレセリフを口にして、完全に帰りたがりはじめる。めんどくさくなった師匠が「じゃあ剣を折り畳んだ状態ならいい?」と雑な(笑)提案をして、それならいいんで、まあそれで終わりにしましょう、ということに

と、いうわけで、「別にオッケーではないが、NGでもない。もちろん明確なルールもない。そして、我々の間で共有されている「マナー」もない」というところまで確認できた、というのが現時点での結論。

まだまだ、文化としての伝統武術についての理解が一般に及んでいないなあ、と反省しきりです。イヤホント伝統武術は「文化」なんですってば(ドサクサに紛れて言っておくと、「サブカル」ですらありませんw)。

あと、これは本当に本心からそう思っているんですが、マナーとしてもアウト、だとは思っていません。近所のさまざまな公園で何十回、何百回となく、早朝、日中、深夜問わず練習していますが、何のトラブルもありません。警察は巡回していれば声かけてきますが、止めろ、などと言われたことは一度もありません。もしそんなに威圧的だったら、深夜槍の練習してて、スペイン人カップルが話しかけてきたり、ヒップホップダンスの練習帰りの若い衆が「剣、触ってもいいスか?」と近寄ってきたり、休日に剣振ってるときに幼女の姉妹(かわいい)に至近距離でガン見されたりしませんよ(いずれも実話)。。

さて、というわけで、サービスセンターの人の名前も控えといたし、まずは年明け、東京都公園協会に相談だな。。

俺たちの戦いはこれからだ!

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