身体の感覚が変わってきたことについての簡単なメモ

ここ2ヶ月くらいの間で、呉式太極拳の師匠である沈剛師父より、「身体の「密度」が、急に上がってきた」という言葉をいただき、また、自身での感覚を文章で残しておくことを強く勧められました。

自分の変化というのは案外分からないもので、また、師父は「とにかく褒めて伸ばすタイプ」、ということもあり、最初のうちは話半分、いや話三掛けくらいで聞いていた(←超失礼)のですが、冷静に自己を観察してみると、ここ数ヶ月の身体の変化は自他ともに、はっきり出てきていることもあり、数年したらまた見返してみるのも一興、と思い、以下にメモ。 続きを読む 身体の感覚が変わってきたことについての簡単なメモ

台灣出稽古記2016

プロローグ:「イペーイ、カイス!!」

鬆柔太極拳の道場にて。自分の動きが、一番「ダセェ」と思える写真をセレクトしてみました(笑)。なんかもうヤケクソになって右腕をこじ入れようとして悪戦苦闘しているところ。ヘタクソすぎる。。

塔手(右手の甲どうしを合わせ、互いの左手を相手の右肘に添えた姿勢)に構えると、相手はやおら、

「イペーイ、カイス!」

と声を上げる。

ん?「カイス? ハイシ? 还是(「あるいは」の意)? いや、この文脈では使わないよな……。」

途方に暮れた顔の私。私以上に「コイツ大丈夫?」な顔をする相手。
「予備、開始!」って言ってるんです。「ヨーイドン」ですよ。この掛け声で始めるんだ、って教えてくれてるんです、と葛西氏が助け舟。

うーむ、そういえば、以前見せてもらった「大会規定」に書いてあったような。相手にはニュアンスで伝わったようで、「え……そこから説明すんの?」という顔をしている。 続きを読む 台灣出稽古記2016

「吉田沙保里選手の握力は20kgしかない」件

先日、TBSラジオ「安住紳一郎の日曜天国(2016年11月27日放送。「ラジオCLOUD」にはありませんが、まあ、探せばどっかで聴けるんじゃないかなあ。。)」を聴いていると、ゲストが吉田沙保里選手でした。この番組は、安住氏のこじらせ倒したフリートーク(ちなみに一番好きな話は「成人式をハシゴしてサボテンを貰った」話。最近では「カレーをおなか一杯食べるんだよう」が白眉だと思っている)と、中澤有美子さん(かわいい)の絶妙な合いの手、国内トップレベルではないかと思われるハガキ職人の投稿を楽しむ番組で、ゲストのコーナーはそれに比べると正直当たりハズレがあるんですが(※個人の感想です)、今回はレジェンド吉田沙保里選手、ということもあり、興味津々。

で、そこで衝撃的な発言が。

「握力は、中学のときに脱臼骨折してから力入らなくて、左20kgしかない。右も最高で40kgくらい」 続きを読む 「吉田沙保里選手の握力は20kgしかない」件

風と推手する男

私の知り合いに、葛西眞彦という人がいます。在台湾の日本人で、いくつかの武術を深く修め、今月末(2016年10月)に台北で開催される競技推手の世界大会に挑戦します。

競技推手ってなーに? というところから話を始めるとオニのように長くなるので、ざっくり、以下の本を御参照ください、ということでご容赦を。

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……アフィ厨乙★というコメントを全力回避するために、一応、三行で書いてみると、 続きを読む 風と推手する男

エコノミークラス症候群と落胯垂臀と

まずはじめに。

平成28年(2016年)熊本地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます。

さて。

これから相当量の理屈を捏ねますので、最初に結論を。

エコノミークラス症候群の予防には、(ふだんからの)太極拳がいいですよ!

以下、それはなぜか? についての文章です。7000字くらいあるので、ヒマな時を選んで読まれることをお勧めします。 続きを読む エコノミークラス症候群と落胯垂臀と

代々木公園で平和裡に剣の稽古をしたいだけなんだ。

を呟いてから、(主にfacebook方面で)いくつかの反響をいただいたので、140文字では書き切れなかっとことをいくつか補足。 続きを読む 代々木公園で平和裡に剣の稽古をしたいだけなんだ。

「太極」は「taichi」なのか「taiji」なのか「タイチ」なのか「タイジ」なのか

ヒジョーに適当ではあるのですが、I know! など使いつつ、中国語の勉強を始めています。

で、ものすごいことを発見してしまいました。

太極拳の「太極/太极」の、アルファベットおよびカタカナでの表記方法の「正解」はなんなのか? についてです。

まずは、アルファベット表記、から。 続きを読む 「太極」は「taichi」なのか「taiji」なのか「タイチ」なのか「タイジ」なのか

「シーフー老師」の謎

私がことさらに言うまでもなく、「カンフー・パンダ」はあまたあるカンフーアクション映画の中でも、少なくとも演出面においては傑作の部類に入るでしょう。
昨今の実写アクション映画が、ワイヤーアクションをわざわざCGで再現とか、早回しの多用とか、鬼のように細かいカット割りとかで、謎の袋小路に陥っているのを尻目に、ゆうゆうと正統派の気持ちいいカンフーアクションをこれでもか、と繰り出してきます。
実写は生身の人間が演じているゆえに、常にある程度の「説得力」を担保しないといけないわけですが、アニメは最初からその点については自由であり、いわゆるカンフー映画の「コミカルな動き」を最大限そのまんま再現すれば即気持ちいいというアドバンテージがあります。「アニメ = animation(いきいきと躍動するさま) = 気持ち(・∀・)イイ!」の方程式が見事にハマった好例、と言えるでしょう。

だがしかし。

作品中で大きなウエイトを占める、主人公に稽古をつけるレッサーパンダの老師の呼称がどうにも気になるのです。 続きを読む 「シーフー老師」の謎